2014年07月24日 井澤です 正
■問題
予作動式スプリンクラー設備は、誤作動等による水損事故の可能性が低く、コンピュータ室等にも採用される。
(一級環境・設備:平成17年No.22)
――――――――ポイント――――――――
■閉鎖型・・・スプリンクラーヘッドがヒューズで栓(せん)されている。
熱でヒューズが溶け落ちると散水される(感熱開放という)。
①湿式・・・ヘッドまで準備万端整った水が待機している
→最も一般的に採用
②乾式・・・水が凍らないようにヘッドの直前は圧縮空気
→寒冷地などで採用
③予作動式・・・誤作動防止のためヘッドと火災感知器が連動してはじめて散水
→コンピュータ室などで採用
■開放型・・・ヘッドが栓(せん)されておらず開放しており、配管のもとに
ある一斉開放弁が火災感知器または手動で開かれると散水する。
→劇場の舞台部などで採用
(天井が高いとヘッドに熱が伝わったときには手遅れになってしまうため)
――――――――――――――――――――
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久しぶりにさわやかな朝を迎えたように思います。
毎日熱い日が続きますが、皆さま体調管理は大丈夫でしょうか?
今年は「春」という季節を感ずる期間が短かったように思います。
5月でこの暑さだと夏はどうなることやら、、、、 ι(´Д`υ)アツィー・・・
皆さま 今年は早めの熱中症対策が必要ですよ。
さて、今日は前回にひき続きスプリンクラー消火設備についてです。
今回はスプリンクラー設備の中の「開放型」についてのご紹介です。
前回ご紹介しました『閉鎖型』は商業施設やオフィス等幅広い場所で
使用されています。一方、『開放型』は劇場の舞台部や化学工場・倉庫など
急速に火災が広がりやすい可燃物が存在する建物に用いられるスプリンクラー設備
です。
開放型スプリンクラー設備は、ヘッドとは別に火災感知器を設置し、
その感知器が熱又は、煙を感知するとその信号によりスプリンクラーが作動し
ヘッドより一斉放水されます。
(ヘッド周りの配管は空配管となっており装置の一部の一斉開放弁が作動し
流水されます)
ここで、前回肝心なヘッドについての説明を書き忘れましたので、ご説明致します。
まず閉鎖型のヘッドは、平常時出口が熱によって溶融する材質の物で閉鎖
されており、火災時の熱により溶融し放水される構造になっています。
そして、開放型のヘッドは、感熱部がなく出口が常に開放された構造になっています。
なので、ヘッドで熱を感知するのではなく、ヘッドとは別に設置されている火災感知器が
熱又は煙を感知し、その信号でスプリンクラーが作動します。
『閉鎖型』と『開放型』の大きな違いは『ヘッド』の構造違いですね。
また、『開放型』は制御盤や手動起動弁の手動操作によっても設備を起動する事ができます。
火災区域に対し、一斉に放水する為、燃えやすい対象物にも有効な冷却効果及び
消火効果が期待できる設備です。
※ヘッドの種類によって放水の範囲・及び形は違います。
まとめ、
①開放型スプリンクラーは劇場の舞台部分や化学工場・倉庫など急速に火災が広がりやすい
建物に用いられます。
②スプリンクラーとは別に設けている火災感知器で熱を感知し、その信号により
スプリンクラーが作動し、放水される。
③スプリンクラーヘッドは
閉鎖型 → 水の出口が熱により溶融される材質のもので閉鎖されている。
開放型 → 開放型は感熱部がなく、常に開放されている。
④手動操作もできる
以上スプリンクラー設備開放型についてのご紹介でした
次回 スプリンクラー設備『放水型』についてです。
つづく、、、、、、(^O^)/
スプリンクラー設備は消防設備のなかでも意外と知られていという印象があります。実際にワタクシが現場に行くと『コレはスプリンクラーですか?水が出るんですね??』と質問がされることがあります。
そこで今回は実際に各種スプリンクラーヘッドに熱を加えたらどのような感じで作動するのか実験をしてみたいと思います。
目次
- 1. 作動させる前に
- 1.1. スプリンクラーヘッドの原理と温度
- 1.1.1. スプリンクラーヘッドの色と感熱温度
- 1.1. スプリンクラーヘッドの原理と温度
- 2. 実験会場に移動
- 2.1. 今回使用する機材
- 2.2. フラッシュ型【埋め込みでよく使われるもの】
- 2.2.1. 決定的瞬間
- 2.3. マルチタイプのヘッド
- 2.3.1. 決定的瞬間
- 2.4. フレーム型のヘッド
- 2.4.1. 決定的瞬間
- 2.5. ヘッドその後
- 2.6. 実験動画【スローモーションあり】
- 3. まとめ
作動させる前に
スプリンクラーヘッドの原理と温度
機器の作動原理は基本的に同じであります。
簡単に説明すると、スプリンクラーヘッドの受熱部に熱が加わると温度ヒューズが溶けて弁が開きヘッド内の放水路が展開します。弁が開いたら、ポンプから繋がれてきた配管から水が送り込まれます。送り込まれた水はヘッドに装備されているデフレクターという水を拡散する部品にぶつかり広範囲に水が撒かれます。
またヘッドが溶ける温度についても様々タイプがあります。
スプリンクラーヘッドの色と感熱温度
色 | 感熱温度 |
60℃未満 | 黒 |
60℃~74℃ | なし |
75℃~120℃ | 白 |
121℃~161℃ | 青 |
162℃~199℃ | 赤 |
200℃~259℃ | 緑 |
260℃以上 | 黄 |
といった感じで色分けされています。スプリンクラーヘッドに色がつけられていることで外観でこのヘッドはどの温度で作動するものか?を簡単に判別することができます。
またスプリンクラー保護するためのカバーがあり、こちらにも色がつけられている場合がありますが、カバーの色はヘッドの色とは別物で、工事する側の人間がパット見でわかるようになっています。このカバーは工事が終わったあとに取り外します。
ヘッドは大変デリケートなためものがぶつかり変形したり傷が付てしまった場合うまく作動しなくなったり、ぶつかった衝撃で放水してしまうことがあります。
実験会場に移動
今回使用する機材
弊社タイムライン防災トレーニングセンター【トレセン】にて実験を行います。ガスバーナーで加熱するため石膏ボードと消火器も直近に設置しておきます。
今回使用する機材や材料は以下の通り。
- スプリンクラーヘッド
- ガズバーナー
- ヘッドを固定するためにフレキ
- 延焼を考慮して石膏ボード
- 粉末消火器
になります。
今回は閉鎖型、フラッシュ型、マルチ型、フレーム型の3種類のヘッドを使い実験いたします。
フラッシュ型【埋め込みでよく使われるもの】
作動温度については前章にてご説明させていただきました。このフラッシュ型はヘッド先を残しそれ以外は天井内に隠れるように設置されています。
通常は72℃(無地)程のヘッドを使用します。厨房などの火気設備を使用し多少高温になるような場所へ98℃前後(白)のものを設置します。
今回は青いヘッド【139℃】を使用します。このヘッド身近で言うとサウナなどで使用されます。
決定的瞬間
マルチタイプのヘッド
重厚感があるヘッドになります。こちらのヘッドも大変よく使用されています。このヘッドは天井面に設置する場合本体のほとんどが外側に露出します。
決定的瞬間
温度ヒューズが溶解時になんというか『ボロッ』っという感じで落下するという印象です。先程の埋込み型と比べるとさほど勢がありませんでした。
実際のスプリンクラーではもともと0.9Mpa(10キロ)程の水圧がかかっているので火災時の作動の場合はものすごい勢いで展開します。
フレーム型のヘッド
フレーム型のヘッドは上向きタイプ、下向きタイプがあります。このヘッドは上向きタイプになります。今回の実験では下向きで行いました。
送られてきた水がでギザギザのパーツ(デフレクター)にぶつかり水を拡散させていきます。
決定的瞬間
フレーム型は一気に崩れ落ちるといった印象です。熱を加えジワジワとゆがみながら一気に崩壊します。。
ヘッドその後
スプリンクラーヘッドはいくつものパーツから成り立っています。複雑な構造をこのサイズで収めてしまうという技術は本当に尊敬していおります。
実験動画【スローモーションあり】
まとめ
自分が新卒でお世話になった会社がメカトロニクスのメーカーであったこともあり、精密機械の凄さは多少理解できていると思っています。スリンクラーヘッドは大変シンプルな原理であるにも関わらず、ヘッドの中にいくつもの大変細かい技術が詰まっています。発明した方、今まで改良改良を繰り返し現代のモノへと進化させてきた技術者の皆様を大変尊敬しております。
- 閉鎖型スプリンクラーヘッドは熱を感知し作動する
- 作動温度によって色分けされている
- フラッシュ、マルチ、フレーム型のヘッドを作動させた
- ものすごい技術で作られておりなおかつ大変コンパクトである
- スプリンクラーは人命救助に欠かせない設備である
関連記事:スプリンクラーが作動する仕組み