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南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経
ナムアミダブツトナムミョウホウレンゲキョウ |
新潮新書 |
新潮社装幀室/デザイン |
新書、電子書籍 |
新潮新書 |
207ページ |
978-4-10-610807-5 |
0215 |
807 |
歴史・地理 |
814円 |
814円 |
2019/03/22 |
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法然、日蓮、両者の生涯と教えを徹底比較。日本仏教の真髄がここにある!
その「十三文字」が日本仏教を大きく変えた――。「南無阿弥陀仏」と称えれば、どんな人間でも往生できると説いた法然。「南無妙法蓮華経」と唱えれば、その身のまま成仏できると説いた日蓮。末法の世に生まれた二人は、迷い悩む衆生を等しく救うべく、独創的な仏教をつくりあげた。念仏と唱題の違い、社会に与えた衝撃、“犬猿の仲”の理由など、今なお生きる両者の教えを比較すれば、日本仏教の奥深さと真髄が見えてくる。
はじめに
序章 法然vs.日蓮――生涯と思想形成
鎌倉期以前の仏教/末法という時代的危機意識/法然の生涯/日蓮の生涯/出家・師匠・法難・流罪・誕生日/法然の思想形成――念仏の絶対化/日蓮の思想形成――流罪と法華至上主義
第一章 念仏vs.唱題――専修一行への道
「専修」の特異性/念仏の系譜(インド・中国・日本)/法然の「選択思想」という真骨頂/念仏のアイデンティティ変更/中国における唱題/日本における唱題/唱題のアイデンティティ変更/念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊/選択と統合/専修と弾圧
第二章 無量寿経vs.法華経――所依の経典
大乗仏教の誕生/無量寿経と法華経/「選択」の起源/「統合」の起源/仏が先か、法が先か
第三章 神祇不拝vs.法華経護持――神の存在
仏教と神道との出逢い/神仏習合と本地垂迹/神祇に対する法然の態度/神道と仏教の癒着にメスを入れる/差別を否定し、平等な往生を/鎮護国家(護国)という発想/八幡神への叱責/日蓮の神祇観
第四章 個人vs.社会――国家や社会との関係
政治と宗教/法然と政治権力/荘園をめぐる闘争/法然仏教が社会に与えた衝撃/『立正安国論』の思想/王法か仏法か/「先ず国家を祈って」を巡る問題/日蓮の国家論/近代以降の展開――政治と宗教
第五章 来世vs.現世――浄土の在処
浄仏国土と菩薩行/本覚思想/絶望か希望か/現世を否定する法然/臨終来迎と復活する現世/現世を肯定する日蓮/「霊山浄土」という矛盾
第六章 諦念vs.格闘――苦の受容
仏教の業思想/若き日の法然の苦悩/回心後の法然の諦念/被教化者の喜び/苦と向き合い続けた日蓮/罪業苦――日蓮の苦悩/代受苦――受難の正当化/常不軽菩薩の自覚/諦念と格闘
第七章 否定vs.肯定――自己認識
浄土教の特徴/すべては深心より――二種深信/「自分こそが最低最悪」――三学非器/偏依善導一師/自己否定から自己肯定へ/法華経の行者/菩薩の自覚/末法の弘通者――自らの神格化
終章 法然vs.日蓮――二人の共通点
自立した宗教者/感謝の念/平等性の追求――女性に対する眼差し/二人の魅力
おわりに
主要参考文献ならびに引用文献
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“犬猿の仲”の法然と日蓮
「南無阿弥陀仏」と称えれば、どんな人間でも往生できると説いた法然。「南無妙法蓮華経」と唱えれば、その身のまま成仏できると説いた日蓮。ともに鎌倉時代に活躍、悩み苦しむ人々が等しく救われるための教えを説きました。本書『南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経』では、両者の生涯と思想を比較しています。一方、日本仏教の中で法然と日蓮は、“犬猿の仲”としても知られています。それはなぜか――。
法然が亡くなって10年後に生まれた日蓮は、その思想形成において、他の宗派を「念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊」(「四箇格言」)と激しく非難したからです。とりわけ、すでに広くポピュラリティを獲得していた法然浄土教への批判は厳しく、「念仏を称えると無間地獄に堕ちる」とまで言っています。現在、それぞれの宗派(浄土宗と日蓮宗)にこうした敵対感がどこまで残っているかはわかりませんが、宗派意識を取り除き、フラットに両者を比較してみれば、意外な共通点も見え、日本仏教の奥深さが見えてきます。
掲載:2019年3月25日
著者プロフィール
1960(昭和35)年京都市生まれ。京都文教大学教授。専門は仏教学。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。主な著書に『ブッダと法然』『南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経』『進化する南無阿弥陀仏』『鎌倉仏教』『日蓮に学ぶレジリエンス』などがある。
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書籍の分類
- ジャンル:歴史・地理
- レーベル・シリーズ:新潮新書
- 発行形態:新書
- 著者名:ひ
題目(南無妙法蓮華経)・念仏(南無阿弥陀仏)の違いやそれぞれの意味とは?
葬儀に参列すると、「お題目」や「お念仏」が唱えられているのを見る機会があることでしょう。「お題目」と「お念仏」の違いや内容をご存じですか。どちらについても詳しい意味合いを知り、心を込めて唱えられるようにしておきましょう。
題目とは日蓮宗系や法華宗系で唱える「南無妙法蓮華経」のこと
題目の一般的な意味は、文章などの主題やタイトルのことです。しかし、日蓮宗系や法華宗の信徒にとっては、「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう)の7文字を指します。それは、「お題目」または「唱題」とも称されます。「南無妙法蓮華経」は「南無」と「妙法蓮華経」にわかれ、本来は「妙法蓮華経」が題目であるとされます。「妙法蓮華経」は、一般的に「法華経」と略されることの多い経典です。日蓮宗系や法華宗系の宗派は、法華経を最も大切な教えが詰まったお経と定めています。よって、「帰依する(心のよりどころにし、あがめること)」という意味の「南無」をつけて、「南無妙法蓮華経」と唱えるのです。「南無妙法蓮華経」には、「法華経を敬い、教えを大切にします」という思いが込められています。
法華経は28章からなる壮大なお経
法華経は、日蓮宗や法華宗に限らず、さまざまな宗派で「お釈迦様の教えの集大成」とされている、28章からなる長いお経です。この世の一人ひとりに仏性が備わっている、すなわち誰でも仏の心を持つことができると説き、全ての命を大事にすることの大切さが書かれています。もちろん、28章もあるわけですから、他にも様々な教えが説かれていますが、信仰の上で大切なのは「慈悲の心を持って正しく生きれば、誰でもお釈迦様の教えに沿った生き方ができる」としているところです。日蓮宗や法華宗の信徒は、この教えにすがって、自らに眠る仏の心を開花させるため、お題目を唱えるのです。
念仏とは浄土教系の宗派で唱える「南無阿弥陀仏」のこと
念仏とは、「仏」を「念じる」と各通り、仏様の姿を思い描き、その名前を声に出してあがめることを言います。とくに「お念仏」といえば、浄土宗や浄土真宗など浄土教系の信徒が唱える「南無阿弥陀仏」を指します。「南無阿弥陀仏」は「南無」と「阿弥陀仏」とにわかれ、「阿弥陀仏」は浄土教系の本尊の名前、「南無」は「帰依する(心のよりどころにし、あがめること)」という意味です。お題目の「南無妙法蓮華経」が、法華経を大事にするという宣言であることと同じように、「南無阿弥陀仏」は「阿弥陀仏を敬い、教えを大切にします」という宣言です。「なむあみだぶつ」と読む場合と、「なもあみだぶつ」と読む場合があり、宗派によって違います。
阿弥陀仏とは全てを救済する如来
阿弥陀仏は、煩悩に苦しむ全ての人間を救いたいと願った法蔵菩薩が、ついにその願いを叶えて如来となった姿であるとされます。他の仏よりも秀でた「本師本仏」と称される阿弥陀仏の力をもってすれば、愚かな自分に苦悩する人間たちの心が救われるというのです。これほど頼もしい仏様はいませんね。とくに浄土宗や浄土真宗では、「悟りを開くための厳しい修行に耐えられない我々だからこそ、阿弥陀仏にすがるしかない」とし、一心にお念仏を繰り返すことこそが救済につながるただ一つの道であると教えています。
お題目やお念仏はよく見るとお墓に刻まれていることがある
何やら難しい漢字が刻まれているお墓をみたことがありませんか。故人名でも、戒名でもない漢字の羅列が刻まれているとき、それは「南無妙法蓮華経」と書かれていることが多いでしょう。日蓮宗系のお墓によくみられるものです。また、「南無阿弥陀佛」と書かれたお墓を見たことのある人はかなり多いでしょう。「佛」は「仏」と同じ意味で、それが浄土教系のお墓であることを指しています。
まとめ
お題目も、お念仏も、信徒にとっては最も大事なものです。葬儀で唱える機会があったら、同じ宗派に属しているのであれば心を込めて唱和しましょう。違う宗教・宗派を信仰している場合は、無理に声を合わせる必要はありません。関連した言葉に、「朝題目に宵念仏」ということわざがあります。これは朝にお題目を唱え、夕方にはお念仏を唱える様子から、定見を持たずしっかりした自分の考えがないことをあらわしています。お題目も、お念仏も、きちんとその意味を知り、その教えに尊敬する気持ちを込めて唱えるようにしたいものですね。
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