健康サポート薬局 要件

印刷用ページを表示する掲載日2022年10月27日

健康サポート薬局とは

※令和4年10月26日の更新情報
「健康サポート薬局」の表示を行っている薬局一覧を更新しました。

医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部改正により,平成28年10月1日から,健康サポート薬局の届出及び公表制度が始まりました。

  健康サポート薬局とは,厚生労働大臣が定める基準に適合する薬局として,薬局の所在地を管轄する保健所に対し,健康サポート薬局である旨の表示を行うことについて届出を行った薬局のことを言い,基本的に以下のような役割を持っている薬局です。

【健康サポート薬局の主な役割】

1 地域住民による主体的な健康の保持・増進を積極的に支援するため,医薬品などの安全かつ適正な使用に関する助言を行う。

2 健康の保持・増進に関する相談を幅広く受け付け,必要に応じ,かかりつけ医を始め適切な専門職種や関係機関に紹介する。

3 地域の中で率先して地域住民の健康サポートを積極的かつ具体的に実践し,地域の薬局への情報発信,取組支援などを実施する。

具体的には,次の厚生労働大臣が定める8項目の基準に適合する薬局となります。

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健康サポート薬局 要件

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かかりつけ薬剤師・薬局の機能に加えて、OTC医薬品や健康食品から、介護や食事、生活に関することまで気軽に相談できる「健康サポート薬局」の需要が高まっています。健康サポート薬局として届け出を行うためには、所定の要件を満たした研修を受講する必要がありますが、平成28年度より施行された比較的新しい制度であり、取得するための要件や手順についての情報も少ないのが現状です。

この記事では、健康サポート薬局の取得を目指す薬剤師に向けて、研修の詳しい内容について解説していきます。

  • 健康サポート薬局とは
  • 健康サポート薬局研修とは
  • 研修修了証の更新について
  • 研修受講の注意点

患者さま一人ひとりと深く向き合う、やりがいのある求人はこちらから

健康サポート薬局 要件

健康サポート薬局とは

健康サポート薬局 要件

「健康サポート薬局」とは、薬に関するあらゆる相談に応じる「かかりつけ薬剤師・薬局」の機能に加えて、OTC医薬品や健康食品、食事、衛生指導、介護など、健康に関するあらゆる相談に応じ、積極的な健康サポート機能を有する薬局のことを指します

健康サポート薬局となるためには、厚生労働大臣が定めた一定の基準を満たし、都道府県に届け出を行わなければなりません。医療機関、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、市町村保健センター、そのほかの行政機関などと連携体制の構築、さらに研修を修了した薬剤師の配置、土日の開局、地域住民の健康維持・増進の支援などあらゆることが求められます。

健康サポート薬局研修とは

健康サポート薬局 要件

健康サポート薬局になるためには、薬局薬剤師として5年以上の経験がある薬剤師の常駐、土日の開局など、厚生労働大臣が定めた様々な基準を満たす必要があります。その1つが、健康サポート薬局に関連する研修の修了です。

ここから、健康サポート薬局研修の概要、参加資格、費用、研修内容、手続きなどについて解説していきます。

参加資格

健康サポート薬局の届け出を行っている、いないにかかわらず、薬局で働く薬剤師であれば研修の対象になります。ただし、薬局での実務経験1年以上を要件とする研修実施機関が一般的です。

研修の受講を証明する研修修了証は、実務経験5年以上でなければ発行されない場合も多いため、実務経験の条件を満たしてから受講することをおすすめします

研修内容

健康サポート薬局研修は、技能習得型研修(集合研修会)と知識習得型研修(e-ラーニング)の2二つに大別されます。

■技能習得型研修(集合研修会)

全8時間の講義形式で、おもに以下の内容について学びます。

1 健康サポート薬局の基本理念(1時間)

2 薬局利用者の状態把握と対応(4時間)

3 地域包括ケアシステムにおける多職種連携と薬剤師の対応(3時間)

また、受講証明書を発行してもらうためには、理解度確認のためのレポートを提出する必要があります。レポートの内容や受講態度が適切であったかを判断されたうえで、技能習得型研修は修了です

なお、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンラインで実施している機関もあるので、希望に合わせて選択しましょう。

■知識習得型研修(e-ラーニング)

資料を見ながら以下について学んでいきます。所要時間は全22時間です。また、項目ごとに理解度確認テストが実施されます。

1 地域住民の健康維持・増進(2時間)

2 要指導医薬品等概説(8時間)

3 健康食品、食品(2時間)

4 禁煙支援(2時間)

5 認知症対策(1時間)

6 感染対策(2時間)

7 衛生用品、介護用品等(1時間)

8 薬物乱用防止(1時間)

9 公衆衛生(1時間)

10 地域包括ケアシステムにおける先進的な取組事例(1時間)

11 コミュニケーション力の向上(1時間)

受講料

研修の受講から修了までに、以下の費用がかかります。

・知識習得型研修(e-ラーニング)の受講料:8,800円(税込)

・技能習得型研修(研修会A及びB)の受講料:都道府県薬剤師会により受講料が異なります。

・研修修了証発行に係る費用:5,500円(税込)

・研修修了証の更新料:3,300円(税込)

以下の場合は、別途費用がかかります。

・研修修了証を再発行する場合(紛失・毀損等):1,870円(税込)

・すでに研修修了証を有している者が、他の都道府県の「地域包括ケアシステムにおける多職種連携と薬剤師の対応」の研修(研修会Aに含む)を受講して研修修了証の発行を申請する場合:3,300円(税込)

研修受講~修了までの流れ

STEP①受講申し込み

各都道府県で開催される研修会日程を参照して申し込みます。

STEP②研修の受講

技能習得型研修と、知識習得型研修をそれぞれ受講し、受講証明書を取得します。

STEP③研修修了証の発行

各研修期間が定めた必要書類などを提出します。

STEP④研修修了証の交付

研修実施機関から研修修了証が発行されます。修了証は、研修を受けた機関からのみ発行されるので注意が必要です。

研修修了証の更新について

健康サポート薬局 要件

健康サポート薬局の研修修了証は、発行から6年間に限り有効です。有効期限が切れると、健康サポート薬局の届け出を取り下げなくてはなりません。

引き続き届け出を行いたい場合は、有効期限の2年前から期限内に、技能習得型研修のうち「地域包括ケアシステムにおける多職種連携と薬剤師の対応」再度受講する必要があります。

なお、有効期限内に更新申請の手続きを行なわなかった場合は、改めてすべての技能習得型研修と知識習得型研修を受講し、修了証を取得しなければならないため注意しましょう。

研修受講の注意点

健康サポート薬局 要件

健康サポート薬局研修の注意点として、代表的なものを解説していきます。

勤務先薬局の都道府県が変更になった場合の対応は?

厚生労働省により、技能習得型研修の「地域包括ケアシステムにおける現状と薬剤師の対応」研修については、勤務する薬局の都道府県で受講するよう定められています。

そのため、勤務先の都道府県が変わった場合は上記研修の再受講が必要です

薬局での実務経験が5年以下の場合は?

健康サポート薬局では、薬局薬剤師として5年以上の実務歴を有する薬剤師の常駐が求められます。そのため、研修修了時点で実務経験が5年未満の場合には研修修了証は発行されず、5年経過後に改めて発行申請が必要です

複数の機関にまたがって健康サポート薬局研修の受講はできるか?

健康サポート薬局研修は複数企業や団体が実施していますが、すべての課程について同じ研修実施機関のもとで受講することを要件としています。

また、研修修了証を更新する場合も、初回と同じ機関の研修を受講する必要があるため注意が必要です

健康サポート薬局 要件

健康サポート薬局を目指し、患者さまの身近な存在に

この記事では、健康サポート薬局の取得を目指す薬剤師に向けて、概要や研修制度について解説してきました。健康サポートに必要な専門知識を習得した薬剤師が常駐する健康サポート薬局は、日頃の健康管理に対する意識が高まる昨今、さらに需要が増しています。

また、2019年に公布された改正医薬品医療機器等法(薬機法)により、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の二つの認定制度が、2021年8月から施行されます。地域連携薬局と健康サポート薬局には共通する部分も多く、混同されやすいため、それぞれの制度の違いをしっかりとおさえておきましょう。

健康サポート薬局の取組は?

1 積極的に健康サポートの具体的な取組(例えば、薬剤師による薬の相談会の開 催や禁煙相談の実施、健診の受診勧奨や認知症早期発見につなげる取組、医師や 保健師と連携した糖尿病予防教室や管理栄養士と連携した栄養相談会の開催等) を実施していること。

健康サポート薬局って何?

健康サポート薬局とは、厚生労働大臣が定める一定基準を満たしいる薬局として、かかりつけ薬剤師・薬局の機能に加え、市販薬や健康食品に関することもちろん、介護や食事・栄養摂取に関することまで気軽に相談できる薬局のこと。

健康サポートの開局時間は?

◇平日は、午前8時から午後7時までの時間帯に8時間以上開局していることが望ましいこと。 ◇薬局利用者からの要指導医薬品等及び健康食品等の安全かつ適正な使用に関する助言並びに 健康の保持増進に関する相談に対応し、その対応内容(受診勧奨及び紹介の実施内容を含む。)

健康サポート薬局の問題点は?

健康サポート薬局の今後 生活者の間で認知度が思うように向上していないこと、調剤報酬で評価されていないこと、届出に伴う設定基準のハードルの高さなどが要因と言われています。